胃痛とは、正確には胃酸が胃粘膜に及ぼす痛みのことを言いますが、一般的にみぞおちの痛みのことを胃痛があると言います。しかし胃の痛みと、みぞおち周辺にある臓器の痛みを区別するのは困難で、胃の痛みと思ったら、胆嚢、胆管や膵臓の痛み、時には大動脈解離などの血管の痛みのこともあり注意が必要です。
胃痛の原因としては急性胃炎、慢性胃炎、機能性ディスペプシア、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化管穿孔、逆流性食道炎、胃がんなどがあります。
また、胃痛以外のみぞおちの痛みの原因には心筋梗塞、胆嚢結石、胆管結石、急性膵炎、急性肝炎、胆嚢がん、胆管がん、膵がん、大動脈解離、大動脈瘤破裂などがあります。
下記の症状がある場合は緊急性があるので早めに医療機関を受診してください
など
胃痛に対しては胃カメラ、他の病気の鑑別に腹部超音波や血液検査で肝臓や炎症の値を確認します。胃痛で受診をして様々な検査をすることがあるのは胃の病気以外の原因を鑑別するためです。
原因に応じた治療を行います。
急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など胃痛を及ぼすほとんどの病気は胃薬で改善します。注意が必要なのは急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍はピロリ菌が原因のことが多く、ピロリ菌の除菌まで行って治療終了になります。また検査を行わず症状だけで治療が開始される場合がありますが、胃がんでも胃薬でしばらくは胃痛が改善することがあり、胃カメラを行わないと治療が遅れる可能性があります。
慢性胃炎、機能性ディスペプシアに対してはピロリ菌が原因の場合が多いのでピロリ菌の除菌や胃薬、それでも改善できない場合は機能性ディスペプシアの薬を使用します。いずれにせよ、まずは胃カメラで胃潰瘍、胃がんなどを否定する必要があります。
当院ではそれぞれの病気に適切に対処するために症状と診察をし、必要に応じて胃カメラ、超音波、血液検査を行い原因をはっきりさせてから、治療を開始することを心がけております。