炎症性腸疾患とは主に潰瘍性大腸炎、クローン病などの腸に炎症が起こる病気で厚生労働省が難病に指定している完治が難しい疾患です。そのため症状を抑えながら付き合っていく必要があります。
ここでは頻度が高い潰瘍性大腸炎について説明していきます。
何らかの免疫機構に異常が発生することにより発症すると言われていますが原因は明らかになっておらず、そのため難病指定されております。
潰瘍性大腸炎は下の図のように炎症の起こる部位によっても症状、程度が異なります。一般的な腸炎と似ており腹痛、下痢、血便を起こしますが、その期間が長く多くの腸炎は1週間程度で改善しますが、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は3週間以上持続します。腸炎のような症状が長く持続する場合には医療機関を受診しましょう。
またクローン病は軽度の腹痛や微熱程度の症状のこともあるので注意が必要です。
直腸炎型
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遠位大腸炎型
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左側大腸炎型
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全大腸炎型
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炎症が直腸部分に限られる |
炎症が直腸とS状結腸に及んでいる |
炎症が結腸に及んでいるが脾彎曲部を超えない |
炎症が脾彎曲部を超えて全体に及ぶ |
直腸炎型
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遠位大腸炎型
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炎症が直腸部分に限られる |
炎症が直腸とS状結腸に及んでいる |
左側大腸炎型
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全大腸炎型
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炎症が結腸に及んでいるが脾彎曲部を超えない |
炎症が脾彎曲部を超えて全体に及ぶ |
症状だけでは腸炎との鑑別が困難で臨床経過と大腸カメラ、便の検査などをして総合的な判断が必要となります。初期の腸炎やアレルギーによる腸炎は時に炎症性腸疾患と間違われることがあり注意が必要です。
炎症性腸疾患の治療は近年様々な治療が開発されてきています。
基本となる5ASA製剤というものから免疫調節薬、生物学的製剤と言われるものまで多岐に渡り、それぞれの患者さんに応じて薬を選択するため、まずは当院にご相談ください。
長く続く腸炎は危険な病気のサインの可能性があり、医療機関を受診しましょう。